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ENJOY NOWAwaken to this moment

意識・心・気付き

写真を撮る前に、景色を見ていた時間

秋の川沿いを望む木の欄干に置かれた小さなカメラ

景色を前にしたとき、「きれいだ」と感じるより先に、写真を撮ろうと手が動くことがあります。川沿いの光、夕方の雲、旅先で見つけた小さな路地。後で見返したいと思うのは、ごく自然なことです。

ただ、画面の中に景色を収めようとすると、立つ位置や明るさ、写り込むものが気になり始めます。目の前の風景を見ているつもりでも、いつの間にか「残すための景色」を探している。写真を撮る楽しさには、そんな視線の変化も含まれているのだと思います。

記録に残るもの、体に残るもの

写真には、後から人と分かち合える良さがあります。忘れていた場所の色や、一緒にいた人の表情を思い出す手がかりにもなります。一方で、川の流れる音や、少し冷たい風を受けた感覚までは、一枚の画像に収まりません。

画像に写らない感覚を、無理に覚えておく必要はないでしょう。しばらく立ち止まって、視線が自然に向くところを見る。水面の明るさに気づく人もいれば、足元の石の形が気になる人もいます。同じ場所にいても、目に入るものは少しずつ違います。

撮る前の数秒にも、景色がある

「今を味わう」と聞くと、写真を撮らずに過ごすべきだと感じるかもしれません。でも、撮影をやめる必要はありません。シャッターを押す前に、ほんの数秒だけカメラから目を離す。何を残したいと思ったのかを、自分の中で確かめるだけでも、写真との関わり方は変わります。

木々の色を残したいのか、川を見たときの静けさを覚えていたいのか。答えがはっきりしないまま撮る一枚にも、その日の関心が表れるでしょう。写真を見返したときに、写っている景色の外側にあった音や温度まで思い出すことがあります。

撮った写真と、撮る前に見ていた景色。どちらも、同じ時間の中にあります。

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